歌っていると時々声がかすれて気になるんだけど、何が原因だろう? どうすれば直せるかな?
- 歌っているとき声がかすれる原因
- 声がかすれるのを防ぐ方法
- 声がかすれたときに直すための対策
などなど分かるようになるよ!
筆者も昔は歌っているとき何か声にひっかかるものを感じて、結構気になっていました。でも今は、声がかすれるかもなんて考えず表現に集中できるので、歌うことがさらに自由で楽しいものになりました!
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歌声がかすれる原因
病気が原因で声がかすれる
歌声がかすれる原因の多くは、誤った発声方法によるものだ。
だが病気などほかの原因があった場合は、発声を改善しても声質が改善されないので、まずは病気が原因で声がかすれるパターンを軽く触れておく。
声帯ポリープ
声帯ポリープとは声帯にイボのような突起ができてしまう症状。
間違った発声を長く続けていると声帯にポリープができてしまうことがある。
この突起のせいで声帯が閉じるときに隙間が空いてしまい、きれいな声が出しにくくなる。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎は鼻が詰まって口呼吸の原因になる。
そのせいで声がかすれることもあるが、それだけではない。
後鼻漏(こうびろう)といって鼻水が喉の方に落ちていき、痰がからみやすくなるので物理的に声がかすれたようになるのだ。
軽い喘息
重い症状が出ていなくても喘息持ちの人は、冬場の暖房のかかった室内と寒い戸外のようなちょっとした温度差にも気道が過敏反応を起こす。
その炎症によって痰が分泌されるため、からんで歌いにくくなるのだ。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胃酸が食道を逆流するせいで喉がヒリヒリと感じる症状だ。
胃酸は強酸なので、喉頭付近の粘膜が腫れてしまい声が出しにくくなることがある。
またなんとなく違和感があるせいで咳払いをしすぎてしまい、声がかすれやすくなることも……
発声方法が原因で声がかすれる
声帯を横方向に引っ張る力をかけているのが原因
発声時は声帯同士が非常に近づく必要がある。
ほとんど閉じている声門を空気が通り抜けることで声帯が振動し、声になるからだ。
ここで閉じようとしている声帯に対して、左右に引っ張るような力がかかると声門閉鎖が不十分となりやすく、声がかすれたように聞こえる。
発声時、無駄な力が入っている
歌う時に舌根や喉頭の周りに力みがあると、声を出しづらいだけでなく声帯を疲弊させる。
すると喉を守るために潤滑剤のようなものが分泌される。
しかしこれが痰のようにからんで感じると、歌っている本人の耳には声がかすれているように聴こえることがある。
歌いすぎが原因で声がかすれる
最後は単純に歌いすぎているパターン。
発声が間違っていなくても、休憩をはさまず3~4時間歌っているとコンディションが落ちてくる。
睡眠不足だったり、疲れがたまっていたり、また乾燥している場所で歌っていると声が出にくくなるのも早い。
歌声がかすれなくなる改善方法
病気が原因で声がかすれるのは医者に行こう
まずは耳鼻咽喉科へ行こう!
ポリープじゃなくて逆流性食道炎だった体験談
電子ファイバースコープ(鼻から入れる小型カメラ)で声帯を見てくれる。
ここで異常がなければ、声帯ポリープの可能性は除外される。
管理人の場合は、風邪でもないのにしょっちゅう喉がヒリヒリしていたので、心配になって診てもらったのだが、
「声帯はとてもきれいだよ」
と言われたのでほっとした。
結局、軽い逆流性食道炎だったのだ。
どう治したかというと、食後1時間は椅子に座ってパソコン作業をしないようにした。
軽いものだったので、それだけでヒリヒリ症状は治まった。
アレルギー性鼻炎と喘息対策
アレルギー性鼻炎と喘息は抗ヒスタミン剤を処方してもらおう。
抗ヒスタミン剤というと以前は眠くなったものだけど、今は1日1回夜寝る前に飲めばよく、日中眠気も感じないので進化したものだ。。。
ステロイド系の点鼻薬や吸引薬もよく効く。
どちらも粉の薬で、直接鼻や口から吸いこむものだ。
薬でアレルギー性鼻炎と喘息を抑えたら、歌うのがものすごく楽になった。
「夜寝るときちょっと鼻が詰まるくらいだから。横になれば片方は通ってるし」と思っている人、ほんのちょっと薬を飲むだけでものすごくQOL(生活の質)が向上するのでマジでお勧め。
薬は体に悪い!と思っていたけど、アレルギー症状で常にストレスを感じていたほうがずっと体に悪かったと思う。
発声法を改善して、声がかすれるのを防ごう
声帯の合わせ方を改善する方法
声帯の粘膜に対して、どの方向にどれだけの力を加えるかを直接コントロールすることはできない。
だから「閉じようとしている声帯を逆方向に引っ張っている」と言われても、本人にそんな意思はない。
これを改善する方法は二つある。
一つはイメージ戦略、もう一つは意思で動かせる外側の筋肉を動かすことで、声帯を動かす筋肉を連動させる方法だ。
イメージ戦略
- 口の中に、縦長の丸い形をした卵が入っているとイメージする
- 喉頭の後ろ側を声が通っていくとイメージする
- 後頭部から斜め後ろに声が出ていくとイメージする
外側の筋肉を動かす
- 口をたてにひらく。特に高い音で意識する。
- 唇の横を左右に引かない。
練習として、イやエ母音でもオの口で発音してみる。
やりすぎると歌う表情が不自然になるが、イ、エ母音で高音を歌うときには有効。 - よく分からない場合は、とにかく大口をあけてから歌い始めてみるのも手段。
これで歌いやすくなる音域や母音があるなら、歌うときにはその部分だけしっかり口を開ければよいことが分かる。
実際は、無駄に開けない方が口の中で共鳴させられるのだが、一方で開ければ歌える音があったり、声質が改善されることがあるのも事実。
こればっかりは、開けろ、閉じろ、という単純なものではないので、実際にレッスンを受けるのが一番。
発声時に入ってしまう無駄な力を抜く方法
「無駄な力を抜いて歌う」というのは無駄な力だけを抜くのであって、完全にリラックスして脱力していたらよく響く声なんて出ない。
ではどこの力を抜くのかと言うと、
- 喉頭まわりの力
- 舌根の緊張
- 唇や頬の表情筋をかためない
主にこの3つ。
喉頭の周囲の筋肉をかためない
喉頭(こうとう)というのは、外側から見るとちょっと突起のある喉ぼとけのあたり。
軟骨でできているそうで、この中央に声帯が鎮座している。
ものを飲み込むときに上がって、また下がるのだが、歌うときにここが上がってしまうと共鳴を妨げる。
だからといって無理やり下に押し付けるようにすると、また無駄な力が入ってしまう原因になる。
上がりやすいのは高い音を歌うとき。特にエ母音など。
これを防ぐには、ノドで声を作るのではなく、もっと下――下腹部や腰まわりで支えることが大切。
(呼吸についてはこのあとの章で説明します)
喉ぼとけは外側から触れることが出来るので、指を添えて歌うことで咽頭が上がったら自分で気付くことができる。
舌根の緊張はすぐに自分で確かめられる
舌根は、首の根元に指をあてて歌えばすぐに、緊張してきたときに気づくはず。
下・外側にふくらむような動きが指に伝わってくる。
「あくびをするときのように口をあけよう」なんて意識していると、舌根がかたまる原因になることが多い。
ハイトーンのメロディーを、「Ah~」と母音だけなら歌えても、歌詞を言うことができないなら、舌根に無駄な力が入っていて舌の動きを阻害している。
練習するとき首の根元に指をあててみて、舌根に力が入ったらすぐ抜くようにしよう。
ロングトーンで「アエアエアエ」と舌だけ動かしてみるのもトレーニングになる。
中音域なら簡単にできるだろう。
でも高音になると舌が動きにくいのに気付くかも・・・
自然な表情で歌おう
発声のことを考えすぎたり、高い音を出そうと頑張るうちに、顔の筋肉がこわばることがある。
これは鏡の前で歌うとすぐに改善できる。
でもピアノの前に戻ってくると表情筋のこわばりも戻ってしまうので、鏡の前で自然な表情で歌っているときの頬や唇の感覚をよく覚えておくこと。
やわらかい響きで歌いたいなら、おなかを内側に引っ込めない
ヨガなどの腹式呼吸では、息を吸うときはお腹が外側に膨らんで、吐く時は逆に内側に引っ込んでいくのが自然かもしれない。
歌うときには息を吐く状態になるので内側に引っ込むのが自然かと思うかもしれないが、ぎゅっと中に入ってしまうとこわばりが上半身にも伝わってしまい、高音のピアニッシモがきれいに歌えなくなる。
よって基本的にはお腹を優しく張ったままで歌うのが理想的。
とはいえ例外もあって、長いフレーズを歌うとき最後の最後に息がなくなる寸前には、腹が内側に引っ込んでいるはず。
またハードロックのようにディナーミクをつけず常にフォルテで歌う必要のあるジャンルなら、腹を内側に引っ込める呼吸でもOK。
声質も固く金属的になるけれど、HR/HMのヴォーカルならそれもまた魅力的だよね。
関連記事 高音の発声について知りたい方は「高い声を出す方法」をチェック!
歌いすぎによって声がかすれるのを防ぐ方法
いくら正しい発声をしていても、休憩をはさまずに長時間歌い続ければコンディションは下がってくる。
歌いすぎないのが一番なんだけど、そうもいかないことってあるよね。
本番前だったり仕事だったり、避けられない事情ってもんが……
歌いすぎは避けるべきだが、ここでは声が疲れにくくなる方法――ドーピング(!?)を紹介する。
たんぱく質を摂取すると体力が続きやすい
歌いすぎにより声が疲弊するのを防ぐ方法は、下半身の支えをしっかり使うことである。
このためにも、また声帯を動かす筋肉のためにも、歌う前にたんぱく質を取っておくと長時間よいコンディションで歌うことが出来る。
日本にいるころ管理人がとっていた対策は、
- コンビニの味付けゆで卵を買っておく(JR駅にあるNew Daysで売っている『マジックパール』がうまい)
- VAAMゼリータイプを飲む
- 歌う1~2時間前にプロテインを摂る
ヴェネツィアでは手軽に便利なものを入手できないので、
- ハードタイプのチーズ「グラナ・パダーノ」を買っておく
日持ちするし持ち運びに便利。 - 家でゆで卵を仕込んでおく
のような対策を取っている。
歌うときの飲み物は水が一番だが、2~3時間続くリハーサルではトイレが近くなると面倒くさいので、VAAMのようなゼリー飲料が腹にもたまって便利だった。
リハの途中で「腹減った・・・涙」となるとつらいから、顆粒や水に溶かすタイプよりゼリー状が気に入っていた。
通販で箱買いがお得なことも・・・
体力と声の回復には睡眠が一番効く
声にとっての一番のサプリは、水分でもたんぱく質でもなく寝ること!
しっかりと睡眠をとって体力を回復しよう。
歌声がかすれる改善策まとめ
喉に負担のかからない発声についてもっと学びたいなら「ミドルヴォイス」習得に特化して解説してくれる『“歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術(CD付き)』が分かりやすいです。自然なビブラートも学べます。
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今回の内容をまとめると、
(1)声がかすれるときはまず耳鼻咽喉科に行っておこう。
それで問題がないなら、
(2)発声を改善していこう。
- 口をあけるとき、横に引かずに上顎を上方にあげる感覚をもつ。
※特にイ、エの母音の言葉
※高音域 - 喉頭を上げない。
でも無理やり下げる力もかけない。 - 舌根に力が入っていないか、指で首元をさわって確認してみよう
- 鏡の前に立ち、自然な表情で歌えているかチェック
(3)睡眠をあなどるな! 声のために眠ろう!
というわけで、発声記事を書いてみましたが、文面だけで表現するのは難しい!
実際にボイス・トレーニングに通ったり、声楽の先生にレッスンを受けると分かりやすいと思います。
管理人も声がかすれることなんて考えもせずに歌えるようになったのは、病院で抗ヒスタミン剤を処方してもらっただけでなく、発声指導を受けてしっかりと学んだことが大きかったです。
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