イタリア語で【和声法】!~音楽院の授業を紹介~

イタリア語で和声法!音楽院の授業
この記事は約6分で読めます。

音楽用語のイタリア語と和声法の勉強がいっぺんにできちゃうコーナーです。

音楽院の必修科目「和声法Ⅱ」の試験前に作ったまとめノートですので、和声法を2年間ぐらい勉強したあとで確認する内容になっています。

スポンサーリンク

和声法の禁則;並行音程について

まずは基本から。
和声法のバス課題で禁則とされる声部の動きについてです。

平行5度(Le quinte parallele)、平行8度(Le ottave parallele)を避ける

 ただし、完全5度(quinta giusta)→減5度(quinta dimiuita)の動きはOK。

平行5度のOK例
平行5度のNG例

隠伏5度(quinta nascosta)、隠伏8度(ottava nascosta)を避ける

  • 基本的に外声(ソプラノとバス)は反行(moto contrario)で動くことが望ましい。
  • 同じ方向に進行する並達(moto retto)はなるべく避ける。
外声が並達(moto retto)に動いてしまう場合は、内声を反行(moto contrario)させることで、すべての声部があがる(Tutte le voci salgono)、もしくは下がる(Tutte le voci scendono)ことは避けよう。

ただし完全終止(cadenza perfetta)のときは隠伏5度(quinta nascosta)とはみなさない。

終止のときの例

しかし反行(moto contrario)していても並行音程とみなされるので注意!

例)イ短調(in LA minore)

平行音程NG例

この例では、ソプラノとバスが反行しているので視覚上は平行に動いているようには見えないが、和声法の試験では「平行8度」として減点対象となる。

スポンサーリンク

7度(settima)の使用について

7度は順次進行で解決すること

7度の解決は、つねに順次進行(grado congiunto)で下がること。

  • 上がることはできない。
  • たとえ下がっても音程を飛ばしてはいけない。

7度の音は準備してから使わなければならない

属七の和音(La settima di dominante)の7度以外は、

  • あらかじめ準備(preparata)されなければならない。
  • もしくは経過音(nota di passaggio)として使われなければならない。

7度の使い方

7度の間違った使い方

正しい例では、Ⅰの7度であるSiがDoからLaへの経過音として使われています。
一方でNG例では、Ⅰの7度であるSiが準備されずに使われているため誤りとなります。

7度の和音を連続して使うのは避ける

完全にクラシック限定の話ですが……
ブルースやジャズでは7度や9度の連続使用は当たり前なので。
そもそも和声法が、バロック後期から古典派という短い時期しかあてはまらないものなので、クラシック限定というより1700年代限定ですかね。。。
モンテヴェルディは古すぎて当てはまらない、プッチーニは新しすぎて当てはまらない、という限定されたものですよね。

  • 並行5度を避けるため7度の和音の連続使用はプログレッション(Progressione)のとき以外は避ける。
  • Progressioneで7度の和音を連続して使うときは、完全形(completa)の和音、5度を抜いた不完全形(incompleta)の和音を交互に使う
  • Progressioneの終わりを見て転調するかどうかを判断する

例)ハ長調(DO maggiore)からイ長調(LA maggiore)に移調するパターン

プログレッションの譜例

 分かりやすいようにコードネームも書いてみました。

スポンサーリンク

終止(cadenza)前のちょっとおしゃれな響き

バス課題で、

  • マイナー6度→5度 があったら増6度の和音(sesta aumentata)が使えないか
  • 4度→5度 が出たらナポリのⅥ(sesta napolitana)が使えないか

考えてみる。

増6度の和音(L’accordo di sesta aumentata)

  • 古典派以降の響き。
  • バッハは使わない。

イタリアの増6度フランスの増6度ドイツの増6度の3種類がある。

増6度の説明

イタリアの増6度フランスの増6度は、Ⅰの第二転回形(secondo rivolto)もしくは属和音(dominante)に移行する。

一方ドイツの増6度は、平行音程を避けるため、Ⅰの第二転回形(secondo rivolto)にしか解決できない。

増6度の和音、実際の使用例

例)ハ長調(DO maggiore)

増6度の和音の実際の使用例

イタリアの増6度フランスの増6度ドイツの増6度とテノール声部を動かすことで内声に変化をつけられます。

上記の譜例で、4小節目のテノール声部は対位法を尊重するならDoに順次進行で解決します。
Solに解決するのは古典派以降の動きになります。

ナポリの6度の和音(L’accordo di sesta napoletana)

バロック時代のナポリ楽派(アレッサンドロ・スカルラッティ、ニコラ・ポルポラなど)が短調の2度の音を半音下げる音階を使っていたため、「ナポリの」と呼ばれる和音。

  • 長調(modo maggiore)より短調(minore)で使われる
  • 4度のバスと半音下がった2度が6度を形成することから「6度」と呼ばれているが、
  • 実際は第一転回形(primo rivolto)で使われるⅡの和音である。

例)ハ短調(in do minore)

ナポリの6度

L’accordo di sesta napoletana

赤い四角で囲った和音が、sesta napoletana。
2度のReが半音下がっている。♭はイタリア語でbemolle。

対斜(una falsa relazione)を避ける

半音進行は必ず同声部に書くようにすること。

以下の例は、ハ長調(DO maggiore)からイ短調(LA minore)に移調する際の和音進行である。
まずは間違った例。

対斜の例

Sol→Sol#(diesis)の半音階がアルト声部とテノール声部にまたがっているので和声法の試験では減点される例。
(ポップスなら全然アリ!というか、耳で聴くと違和感があまりないので気付きにくい。自分の書いた譜面を目で見てしっかりチェックしないと見つけられない)

続いて正しい和声進行の例。

対斜を避けた正しい例

ハ長調の属七の和音(settima di dominante di do)から1度を経ずに、イ短調の属七の和音へ直接移行する=Cadenza evitata(カデンツァ・エヴィタータ)を使うのが正解です。
この方法なら、1小節目から2小節目にかけて同じアルト声部内で、Sol→Sol#(diesis)の半音進行を作ることができます。

おわりに

主だったものだけ説明してみました。
重要なものや、間違えやすいものに絞ったつもりです。

和声法は奥が深くて本当に楽しいですよね。
学んだことを自分の曲作りにすぐ生かせるし、新しいテクニックを学ぶたびにオリジナル曲をブラッシュアップしていけるのは、大きな喜びです。

コメント