イタリア国立ヴェネツィア音楽院の卒業論文に選んだヘンデルのオペラ《セルセ》について書いた記事です。
オペラ《セルセ》について
カヴァッリ,ボノンチーニ,ヘンデルの《セルセ》から紐解くバロックオペラの歴史
1600年代前半のヴェネツィアから100年後のロンドンまで――3人の作曲家による《セルセ》を題材にバロックオペラの歴史と変化をふりかえります。
- ヘンデルのオペラ《セルセ》のあらすじと解説、音楽史的な位置付けについて
- オンブラ・マイ・フOmbra mai fù(ヘンデル《セルセ》より)歌詞と解説
- ヘンデルの《セルセ》からアリア解説|オンブラマイフ以外にも魅力的なアリアがたくさん
第1幕から第3幕まで、それぞれの幕から1曲ずつタイトルロールのアリアを選んで解説します。
卒論の内容を公開
イタリアの音楽院に提出し、無事卒業となった卒業論文を日本語訳し、解説を加えてブログに載せています。
序文
卒論「はじめに」の書き方と例文。実際に提出した論文の序論も公開
序文は上記記事の後半「卒論の序論(はじめに)の例文」に載せています。画像でちょこっとイタリア語版の冒頭もお見せしています。
第一章:バロックオペラの歴史と3つの《セルセ》
カヴァッリ,ボノンチーニ,ヘンデルの《セルセ》から紐解くバロックオペラの歴史
すでに上記で紹介しましたこの記事が、実は卒論の第一章(チャプター1)でした。各幕の台本や音楽の比較に入る前に、作品の背景や作曲家について歴史的な俯瞰事項を書いています。
第二章:オペラ《セルセ》第一幕の比較分析
第一幕からはセルセのアリア「Più che penso alle fiamme」とそれに先立つレチタティーヴォのシーンについて比較しました。
セルセのアリアPiù che penso alle fiamme ヘンデルとボノンチーニの比較
まずはアリア比較記事です。カヴァッリ版にはアリア「Più che penso alle fiamme」が存在しないので、ヘンデルとボノンチーニの比較をおこないました。
バロックオペラのレチタティーヴォ ~時代によるスタイルの変化~
同じ第一幕のシーンのレチタティーヴォを比較した記事です。初期バロックの様式感を残すカヴァッリ版から、40年でボノンチーニのセッコなレチタティーヴォへ変化します。バロック音楽の流行スタイルの変化の速さがうかがえます。
第三章:オペラ《セルセ》第二幕の比較分析
第三章はイタリア語で書いた論文本文が長かったため、ブログに載せるにあたって3分割しました。ヘンデルのオペラで言うとセルセのアリア「Se bramate d’amar」を含むシーンを比較しています。
ダ・カーポ・アリアとは? バロックオペラの比較から歴史的に考察
3つのオペラを比較して分かる重要な違いとして、ダ・カーポ・アリアの有無が挙げられます。カヴァッリのオペラにはダ・カーポ・アリアがありません。一方ボノンチーニとヘンデルのオペラではアリアの多くがダ・カーポ形式です。ダ・カーポ・アリアの隆盛の理由について、当時の観客が求めたものや社会的な視点から考察しています。
【ヘンデルのオペラ】過去作品から受けた影響 ~《セルセ》を例に~
ヘンデルとボノンチーニの類似点を考察しました。アリア「Se bramate d’amar」だけでなく、デュエットの書式もかなり似ています。
第三章3記事目は現在執筆中です。
卒業論文の書き方、進め方
- 卒論テーマの決め方 ~イタリア国立音楽院編~
- 卒論テーマの例《音楽編》ネタ決めに1年かかった体験談
- 【卒論の進め方】書き方の手順と、やる気を継続させる方法
- 卒論「はじめに」の書き方と例文。実際に提出した論文の序論も公開
卒論テーマ、ヘンデルのオペラ《セルセ》新着記事
以下、新着記事です。上の方が新しい記事になります。