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【チェンバロ曲目紹介】夏休みの宿題が多くてびっくりな話

チェンバロ、通奏低音の夏休みの宿題 チェンバロ
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チェンバロの曲ってどんなレパートリーがあるのかな? バッハやヘンデルの曲を弾いているの?

バッハやヘンデルなど18世紀ドイツの作曲家だけじゃなく、イタリアの作曲家の作品を弾いたり、もっと古い時代の音楽も勉強するよ!

この記事では、イタリアの国立音楽院の夏休みの宿題(量が多い……)を例に、チェンバロ初学者でも弾けるけど、コンサートにも使えるレパートリーを紹介します。

実際、宿題の中には先日のフェニーチェ劇場のサロンコンサートで聴いて感動した曲も含まれていました。

チェンバロはピアノと違って難易度の高い曲で超絶技巧を見せるより、最低限の鍵盤しか押さえない曲を「より美しい音色で、情緒豊かに表現するためにどう弾くか」が重要だと思います。

ピアノにはない、チェンバロならではの面白さは以下の記事で解説しています。
関連記事 チェンバロのここが好き!ピアノとの違いに着目しつつ楽しい点だけでなく苦労話も…

チェンバロ曲目リスト(イタリア音楽院夏休みの宿題)

J.S.バッハのインベンションから計6曲

曲は自由に選べます。

2声のインベンションを3曲

今までに、No.1、No.8、No.13と弾きやすく親しみやすく簡単な曲はレッスンで弾いてしまったので、次に簡単そうなNo.3、No.4、No.14をやっていこうと思います。

3声のインベンション(シンフォニア)を3曲

3声はNo.1しかやってないから選び放題だな……
調、難易度、曲調の好みから考えてNo.2ハ短調、No.11ト短調、No.13イ短調を選びました。

筆者は3拍子の曲が弾きやすく(歌いやすいのも3拍子か、はねたリズムの曲)、#より♭の調が読譜しやすく、左手が伴奏に徹しているより対位法的に動く曲のほうが好きなので、こういう選択になりました。

フィッシャーの組曲

ドイツの作曲家、J.C.F.フィッシャー(1656-1746) の組曲「音楽のパルナッソス山 – メルポメネ(Musicalischer Parnassus: Melpomene)」です。

  1. Praeludium
  2. Allemande
  3. Passepied
  4. Rondeau
  5. Chaconne
  6. Gigue
  7. Bourée
  8. Menuet I (Alternativement)
  9. Menuet II

5番目のシャコンヌだけすでに勉強しました。
簡単なのに素敵な曲ばかりで、素晴らしい組曲です。
弾きやすいのに美しい曲って嬉しいです。

iTunesでの試聴はこちら
フィッシャーのチェンバロ組曲集。19曲目から28曲目までが「メルポメネ」です。

スカルラッティのソナタ

ドメニコ・スカルラッティのソナタです。

  • K14   ト長調
  • K208 イ長調
    カンタービレでとてもきれいな曲です。先日コンサートで聴いて感動しました。
    好きなので、K208だけご紹介。

ガルッピのソナタ

in Re minore, Andantino e Presto

ガルッピらしい、良い意味で「耳なじみのよい曲」です。

チェンバロではなくピアノ演奏によるガルッピのソナタ集ですが……
4,5曲目が該当のニ短調のソナタです。

多声音楽のインタヴォラトゥーラ

インタヴォラトゥーラとは、声楽曲を器楽曲に編曲したもの

以前の記事、「ルカ・マレンツィオの多声音楽」の説明で多少詳しく書いています。

今回はチプリアーノ・デ・ローレ(1515?-1565)の「4声のマドリガーレⅠ」(1547年)より「Ancor che col partire」のインタヴォラトゥーラです。

通奏低音の宿題

曲を弾く課題だけでなく、通奏低音の宿題も出ています。

通奏低音の教科書「18世紀の通奏低音演習の基礎」からフランス編

Jesper Bøje Christensen著、マリア・ルイーザ・バルダッサーリ(イタリア語)訳「Fondamenti di prassi del basso continuo nel secolo XVIII -Metodo basato sulle fonti originali-(18世紀の通奏低音演習の基礎 ~当時の教本にもとづいたメソード~)」という150ページぐらいの教科書(練習問題付き)があるのですが、この本の前半3分の1をすべて自習して来いという宿題です。

この本「18世紀の通奏低音演習の基礎」は3つの章からなっていて、それぞれフランス、ドイツ、イタリアと国ごとのスタイルが学べます。
フランスが一番簡単で、イタリアが難しい――定型的ではないため一筋縄でいかない――そうです。
フレンチ・スタイルだけでも50ページ以上あるのですが、現代イタリア語に翻訳された解説を読んで、理解し、演習を解いて暗記してくるという課題です。

各調ごとに和音の位置を暗記

長調、短調それぞれ調号4つまで、3度・5度・8度の3種類のポジションでの和声付けを暗記してくる宿題です。

分かりにくい説明になってしまったので、下に写真を載せます。
イタリア語の説明では例えば3度ポジションだったら「Scale armonizzate in terza」=3度で和声付けした音階、と書かれています。

3度というのは、右手の和音のトップノートが、バスに対して3度になっている――つまりBasso=DoのときにCメジャーの和音を弾くなら、Sol-Do-Mi(第二転回形)を弾くということです。

通奏低音奏者ってこういう表を暗記していたのか!?と驚きました。
今まで習慣と感覚で乗りきっていたので……

和声付けした音階の例

和声付けした音階の例

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おまけ ~バロック声楽の宿題は?~

バロック声楽のほうは直前まで宿題を言い渡されませんでした。

見捨てられたのかと不安になり(苦笑)、自分から
「夏休みの宿題は――?」
と訊いてみたら、
「卒論進めるんでしょ。卒業演奏会のレパートリーを考えて練習しておけばいいじゃない」
と。
卒業演奏会は来年の夏で、その前に声楽Ⅲの期末試験があるので、そっちの譜読みをしたかったのですが……

学生が曲を選ぶというシステムの教授も多い中、私の先生は「試験用に自分で曲を選んだほうがいいですか」と訊いても「私が考えるからその必要はないわ」と言ってすべてレパートリーを選んで下さる先生です。

1年次、2年次ともに期末試験の前に時間が足りなかったので、今回こそは早めに用意したいと思いつつ、勝手に曲を選んでも試験のプログラムには加えられないから、やきもきしながら待つしかないです。

結局、夏休み明けに卒業するbiennio(大学院修士相当)の学生の卒業演奏会で、2曲マドリガーレを歌うことになりました。
1600年前後に作曲された2声のマドリガーレの楽譜をわたされたので、一応夏休みの宿題的なものになりました。

とはいえ、チェンバロと通奏低音の宿題のボリュームが多い上、卒論も進めたいので、声楽でも楽譜どっさりじゃなくて良かったのかもしれません。

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